ドキュメンタリー映画『ある家族の肖像~被爆三世代の証言』

<あらすじ>

2023年5月 ある家族三世代が

神戸から旅に出た

目的地は祖父の被爆地・広島―

78年前の薄れゆく“記憶”を取り戻すために…。

 

かつて凄惨な体験をした地で、果たして祖父・鈴木照二は何を思い出し、何を語るのか?

被爆二世である母・カオル、三世である娘・万祐子は、何を感じるのか?

三世代にわたり起こってきた体調不良…それが原爆の影響かどうかは不明だが、

「被爆の影響ではないか」と思うだけで心の負担は大きい。

ハンディを背負いながらも、それぞれが前向きに生きてゆく――

被爆三世代の心の機微を優しく紡ぐ“ロード・ドキュメンタリー”


祖父・鈴木照二 (95歳 被爆一世)

『こんな地獄の姿いうのは、

  ちょっとないでしょうな』

 

昭和20年8月、旧制広島高等学校1年在学時、勤労動員先の寮内で、原爆に遭遇。大きなけがはなかったものの、翌日から1週間、帰らぬ学友の姿を求めて爆心地付近を捜索。京橋川の河畔で凄絶な地獄絵を見た。卒業後、郷里の兵庫に帰り商社に勤務。結婚し、2児をもうけた。やれやれというときに神戸の地震で家がつぶれ、家族のために86歳まで働き続けた。長年、体内に悪性腫瘍をかかえており、孫にまで被爆の影響が出たのではないかと案じている…。


 母・鈴木カオル 64歳 被爆二世)

『私は高校生から悩んだんですよ。自分がどこまで元気で生きて行けるのか。でもこの子どもたちは小学生から悩んで生きるんだなと思ったときに…』

 

高校生の時、心臓に異常が発見され体調不良の日々を過ごした。結婚し一女を出産。その後も甲状腺の機能低下(橋本病)や、臓器に水がたまるなど、原因不明の症状に悩まされている。愛娘に甲状腺ガンが発見され、ショックを受ける。福島の原発事故で避難を余儀なくされた子どもたちを、サマーキャンプに招待するボランティアに参加したことから、平和活動を積極的に推進することを決意。幼なじみのピアニスト・金谷康佑とともに平和のためのイベントを年に数回、赤字覚悟で主催している。


 一人娘・万祐子(26歳 被爆三世)

『何かピンと来なかったです、自分がガンって。

珍しい病気ではないですけど。自分がなるとは思ってないですし、まだ22,3歳でしたし…』

 

った一人の孫娘で、祖父から可愛がられた。幼い頃から元気で活発な子であったが、どこか引っ込み思案の所もあった。大学で軽音サークルに所属し、ギターとヴォーカルを担当。卒業ライブを控えた4年生在学時の7月、検査で甲状腺ガンが発見された。医師から「甲状腺の全摘手術で声帯を傷つけるかもしれない。手術の日までに一生分の歌を歌っておくように」と言われ、練習に打ち込んだ。4カ月後の手術当日、喉を広く切開しリンパも切除する大手術に臨んだ。果たして手術は成功し、再び歌うことができるようになるのか…。


 

【監督・撮影・編集】上松道夫

【出演】鈴木照二、鈴木カオル、万祐子

【音楽】金谷康佑【特別出演】斉藤とも子



ドキュメンタリー映画『ある家族の肖像~被爆三世代の証言~』が完成、2023年12月8日に神戸・元町映画館にて初上映されました!


御手洗志帆 Mitarai Shiho

御手洗企画(イベント企画/テレビ番組ディレクター/AP,ADリサーチャー/「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」主催)

メール mitaraikikaku@gmail.com

札幌市南区在住